論文の読み方
論文の読み方は人によってことなると思いますが,私の例を挙げて説明します.
1.最初にアブストラクト,図,表,まとめを読みます.
重要な結果は図や表として示されていることがほとんどですので,慣れてくるとこの部分を読むだけでこの論文が何を明らかにしたのかざっくりと理解できるようになります.
このとき,resultとdiscussionの中の章立て(見だし)を読み,全体として何の結果を出して,そこからどういう方向の議論をしようとしているのかを想像しておきます.
2.その後,わからない単語を調べつつ,全体をざっくり通して読んで本文の流れを理解します.
学部生などで英語論文を読み慣れていない人はそもそもたくさんの知らない英単語があるかと思います.それらを逐次調べましょう.
ただし,注意点があります.論文にはたくさんの専門用語が出てきます.知らない英単語が専門用語である可能性があるのです.専門用語であることを知らずに普通の辞書で意味を調べると,文意を正しくくみ取れないでしょう.
たとえば,reduced environmentという単語があります.ただしくは「還元環境」ですが,下手すると「減少した環境」と訳しかねないですよね.ですので訳していてなんか意味が通らないなと思ったら,その単語が専門用語である可能性を考えましょう.専門的な辞書(地学事典の付録の英語索引や古生物学事典,Glossary of Geologyなど)を積極的に活用しましょう.
3.そして,今度はじっくりと読んでいきます.
利用しているメソッドで本当にその結果が得られるのか,どのデータか何を示していて,どう解釈できるのか,そこから既往研究なども含めてどういう議論に展開しているのか,について整理していきます.