カテゴリ:「兀天狗」記事一覧
【進路相談室】 地学を専攻して就職できるのか?
2020年7月24日 22:40
みなさん,お久しぶりです. 先日,地球学のM先生から,「コース選択に迷う2年生向けに,地球学の良さを伝える座談会に参加してほしい」とお誘いがありました. いや~,私,こういうの好きなので,率直に嬉しかったですね. 普段連絡してない人とも(オンライン上で)会えましたし,楽しかったです. みなさん,かっこよく働いてますね,「がんばらねば!」と元気をもらいました. で,2年生や保護者からの声で多いのが,…つづきを読む
【不定期更新】あのときこう言えば良かった
2019年7月28日 16:41
みなさん、こんにちは. 私は研究生活で培った拙い英語力(Lv.510)をなんとかキープするために,ちょっとだけ英語の勉強をしています. たくさんの表現を勉強できて非常におもしろいのですが,使う機会がカイムさんなのです. そこで,ジェンキンズ研のホームページをお借りすることにしました. 本記事では,おもしろいと思った表現の中から,私が実際に体験した英会話(国際学会とか)において, 「あのときこう言え…つづきを読む
あとがき
2019年7月28日 12:00
いや~,みなさんここまで読んでくださり本当にありがとうございました. 私もこんなに長くなるとは思いませんでした. もう修了してから1年以上経っているわけですからね. 最後のほうは,なんとかお盆までに終わらせたい一心で書いたので,文章がまとまっていないところもあったかもしれません. 読み返しながら修正します(インターネットって便利). 本当は,ジェンキンズ先生のアナガッチンガー物語のように書きたかっ…つづきを読む
Acknowledgements
2019年7月21日 12:00
Here, I'd like to thank for everyone involved with me on our research. It's endless to express my gratitude for all people on this page, so I wrote your name as it. To start with, I'm greatful to…つづきを読む
最終話 最後の登山
2019年7月14日 12:00
謝恩会おつかれさまでした. 修論の合間をぬって,幹事として準備してきましたが,無事に終わりほっとしています. 北海道での風邪が治らなかったのが残念です. でかいイベントの幹事はやりがいがあるものです. ちょっと,ココアでも飲みましょうか. みなさんも,いかがですか? コーヒーでもいいですよ.一服しましょう. さて,学生生活もカウントダウンが始まりました. 残された数少ない時間で,データの整理です.…つづきを読む
第72話 力石学会
2019年7月 7日 12:00
生態学会から数日後. 北海道大学低温科学研究所と定山渓温泉にて,アミノ酸の窒素同位体比研究者による会合(力石学会)が開催されました. 力石研のラボツアーから始まり,GC/IRMSの見学です. さすがは,アミノ酸の研究者一同. どんどん,装置に関する疑問を力石さんにぶつけて,議論していきます. そこで,私がうれしかったのは,みなさんの会話の内容が理解できたことです(もっと嬉しいこともありましたね).…つづきを読む
第71話 ほんとの修論発表会
2019年6月30日 12:00
やってきました北海道!!! 3月だというのに,まだまだ雪が残る北海道.やはり寒いです. 今回,北海道に来たのは卒業旅行力石さんに私の集大成を見ていただくためです. 私の研究を進めるに当たり,有意義な意見を多数いただき,お礼も言いたいですし, アミノ酸の窒素同位体比研究の最先端をひた走る大先生と議論ができるわけです. 緊張と期待で,高揚していました. 合わせて,札幌で開かれていた生態学会では,アミ…つづきを読む
第70話 国立科学博物館
2019年6月23日 12:00
修論・卒論が終わり,大学に来る人も減っていきます. 卒業旅行に行ったり,帰省したり,就活の準備したりで,研究している学生は少ないですね. 私は,残された時間で,できるかぎり研究に携わっていたい(てか働かずにもっとやりたいな)と思い, データを整理したり,分析のお手伝いをしておりました. 「遊びに行く友達もいないの!?」と茶化されたりもしました. 否定はできませんが,研究室という空間が好きだったので…つづきを読む
第69話 雪の修論発表会
2019年6月16日 12:00
修論発表会前日. 夜から降っていた雪はとどまることを知らず,どんどん降り積もっていきます. 朝になると,一面真っ白で,ずっと石川県に住んでいる私もこんな大雪は初めてでした. そこらじゅうで,バスや車がスリップしたり,雪にハマったり. 車はまともに走れません. とても日常とはかけ離れた光景でした. 金沢大学も休講になりました. したがって,修論発表会も1日延期になり,ありがたいのかどうなのか. さて…つづきを読む
第68話 古生物学会から始まる
2019年6月 9日 12:00
古生物学を専攻する学生の多くが挑戦する学会のひとつに,古生物学会があります. 古生物学だけでなく,地質学や(古生物の研究につながる)現生生物学なども含めた幅広い生命進化のカンファレンスと言っても良いでしょう. 私は古生物学の研究者にも,アミノ酸の可能性を伝えたくて,研究生活を離れる前に参加したかった学会です. そして,同じ志を持つ人を求めていました. さて,この古生物学会は年2回開催されるのですが…つづきを読む
第67話 深夜の修論推敲
2019年6月 2日 12:00
年が明け,学生生活も残り3ヶ月となりました. 研究もいよいよ大詰めです. ひたすらに,修論を書いていきます. おとなりの鉱物・結晶学グループの修士は,英語で修論を書いていたので, それに比べれば,優しいもんですね. いまとなっては,英語で書けば良かったと思うこともあります. その後の論文化作業がスムーズにできると予想されるので. 私がジェンキンズ研で学んだ(卒業・修士)論文の書き方の手順を以下に記…つづきを読む
第66話 分析屋の誇りと願い
2019年5月26日 12:00
GC/IRMSの改良を通して,私の分析に対する価値観は大きく変わりました. 自分自身で装置をいじったこと,後藤さんからのいろんな研究の話を聞けたこと. どれをとってもかけがえのない日々です. 私は現在,化学分析の会社に勤めていますが,その頃の経験を元に仕事しています. 一連の実験によって「分析」の考え方の基礎を構築することができました. 私は勝手に分析を専門としている人を「分析屋」と呼んでいます.…つづきを読む
第65話 30時間連続分析
2019年5月19日 12:00
我々に残されたマシンタイムも残り2日. 当時の装置にはオートサンプラーが付いていませんでしたので,全部手打ちでした. (手打ちの分,勉強できることもありましたよ) 1試料65分なので,1日に測定できる試料数はがんばって10試料くらいですかね(最初と間と終わりにスタンダードを含む). しかし,チームジェンキンズが測定したい試料は現生化石合わせて20試料くらい+標準物質ですから2日間で終わらないのです…つづきを読む
第64話 最後の選択
2019年5月12日 12:00
私を後藤さんが呼び出します. 「炭素同位体比は,ほぼほぼ元の状態まで戻ってきた. アミノ酸の窒素同位体比測定への改良のチャンスは複合的に見てもあと1回あるけど, 長谷川研究室のポスドクとしては,これ以上装置に大きなトラブルを起こすわけにはいかないし,私はどちらかというと,勧めない. 1ヶ月丸々同位体比に賭けるか,今あるデータで修論をしっかりまとめるか. もし,同位体比が測定できなかったら,修論は書…つづきを読む
第63話 座右の銘
2019年5月 5日 12:00
GC/IRMSがトラブルに見舞われたため,しばらくは装置の改良ができません. 後藤さんをはじめとした装置利用希望の皆様には,多大なるご迷惑をおかけしたことを覚えています. 申し訳ございませんでした. 「あのとき,炉を折っていなければ・・・」と思わなかった日はありません. 後藤さんに原因究明していただきましたが,なかなか糸口が見つからず, 思うように進みません. ただ,後藤さんは「装置にはトラブルが…つづきを読む
第62話 一筋の光明
2019年4月28日 12:00
セラミック管を折ってしまい,新しいものに交換しました. しかし,後藤さんから衝撃の一言が!!! 「ちょっと,装置の調子がかなり悪い.窒素同位体比だけじゃなくて,いままでの炭素同位体比分析もできない.」 やってしまった・・・. たくさんの人が利用する同位体比分析装置を壊してしまったかもしれない. あぁ,あそこでセラミック管を折ってさえいなければ・・・. 自分の研究が進まないのはさておき,いろんな人の…つづきを読む
第61話 1秒で9万円がなくなった
2019年4月21日 12:00
電気炉が納品され,本格的に装置の改良が始まりました. 還元炉を組み込む前に,しばらく交換していなかった酸化炉のセラミック管を新品のものに交換します. 還元炉以外のラインはリークもない状態で,還元炉の調整を行うためです. 同時に,すべてのラインをチェックするのは難しいので,ひとつずつ順番につないでいきます. セラミック管の交換は,一度,後藤さんが作業しているのを見学したことがありましたが, 自分の手…つづきを読む
第60話 電気炉屋
2019年4月14日 12:00
今回,探している電気炉の条件は ・550℃付近で安定して保温できること ・外径2mmのセラミック管をムラなく加熱し,静置できること ・電気炉の外側が暑くなりすぎないこと(安全第一) この3点が挙げられます. まずはGoogle先生に「電気炉」を尋ねてみると,たくさんの会社を教えてくれました. 電気炉だけで(電気炉専門じゃないところもある)こんなにも会社があるのだなあと,モノづくり大国ニッポンの技術…つづきを読む
第59話 アミノ酸の窒素同位体比を測定する
2019年4月 7日 12:00
大変長くなってまいりましたが,ようやく最終章です. 私の研究生活で最も充実していたM2時の話,「同位体質量分析計のアップグレード」です. アミノ酸の窒素同位体比を測定することがどういうことかわからない方もいらっしゃると思いますので, まずは,GC/C/IRMSを用いたアミノ酸の窒素同位体比を測定する原理を説明します. GC/IRMSを用いた同位体比測定について,力石・大場(2008)に詳しく書かれ…つづきを読む
第58話 博士後期課程に進学しなかった理由 参幕
2019年3月31日 12:00
博士後期課程に進学しなかった理由 ・今の力量でアカデミックの世界で勝負する勇気がなかった. ・自分のやりたいことが,「民間企業」でも達成できるのではないかと感じた. ・進学するにしても,いったん教育機関を離れて「民間企業」というものを見てからでも良いのではないかと決めた. ☑進学するにしても,いったん教育機関を離れて「民間企業」というものを見てからでも良いのではないかと決めた. <M1当時考えてい…つづきを読む
第57話 博士後期課程に進学しなかった理由 弐幕
2019年3月24日 12:00
博士後期課程に進学しなかった理由 ・今の力量でアカデミックの世界で勝負する勇気がなかった. ・自分のやりたいことが,「民間企業」でも達成できるのではないかと感じた. ・進学するにしても,いったん教育機関を離れて「民間企業」というものを見てからでも良いのではないかと決めた. ☑自分のやりたいことが,「民間企業」でも達成できるのではないかと感じた. <M1当時考えていた理由> 私は大学4年生まで,長期…つづきを読む
第56話 博士後期課程に進学しなかった理由 壱幕
2019年3月17日 12:00
今年も就活が解禁して,早2週間です. 就活生のみなさんには,自分の夢に向かってがんばってほしいですね. 私も2年前は同じことをしていましたからね,Time fliesです. さて,私は博士後期課程に進学したい気持ちはありましたが,就職という道を選びました. 多くの人には,お金を稼ぐためとかテキトーなことを言っていましたが, 本当に<M1当時考えていた理由>と,1年後の<いま何を感じるか>を書かせて…つづきを読む
第55話 Goodbye Folkestone
2019年3月10日 12:00
「Goodbye! Hagechan!!」 カイムさん,クリシュトフさんと力強く握手をします(いやほんとに強い). 英会話もろくにできない大学院生を,フィールドチームに受け入れてくれただけでも感謝の気持ちで一杯です. 化学合成の化石の研究の最先端をひた走るお二人とともにフィールドに来られて,私は幸せ者です. 正直,丸一日くらいは,カイムさんやクリシュトフさんにくっついて,彼らがどのようにサンプリン…つづきを読む
第54話 White cliff ~ Cretaceous began from here ~
2019年3月 3日 12:00
Folkestoneの露頭からは,白亜紀の由来となったのチョーク層が見えます. (同じ層準ですが,厳密にはフランスに露出している地層が本家です.) 古生物学・地質学を学んでいる人間ならば,地質時代の名前の由来となった場所が近くにあるのに,行かない理由はありません. Folkestoneの露頭から少し車を走らせ,チョーク層に向かいます. おそらく,観光地でもあるので,道は整備されていました. 北海道…つづきを読む
第53話 Gault clay Formation
2019年2月24日 12:00
翌朝,イングリッシュブレックファストを食べ終え,フィールドへ向かいます. 今回のフィールドは,イギリスの海岸に露出しているGault clay Formation(Middle ~ Late Albian)です. Gault clay Formationは,白亜紀の由来となった"チョーク層"の下部に位置する青灰色泥岩の層準であり,ヨーロッパでも有数の化石産地として有名です(e.g. Gallois…つづきを読む
第52話 The Long Road to Folkestone
2019年2月17日 12:00
ロンドン中心部の観光を終えた私は,ヴィクトリア駅に到着し,改札前でどの列車に乗ればよいのか考えましたが, 「あれ,電光掲示板に"Folkestone"の文字がない」 わからん. わからないというか,確証がほしかったので,人に聞くべきだと思いました. 駅のスタッフさんに「どの電車がFolkestoneに行くのか」と尋ねると, 「X時のY番ホームの列車に乗りな(時間と番号は忘れました).ただ,途中でバ…つづきを読む
第51話 The dubious person in Trafalgar Square
2019年2月17日 12:00
電車でロンドンの中心部にやってきた私は, 荷物を駅に預け,しばしの観光です. 定番中の定番スポットにしか行っていませんが,まずはバッキンガム宮殿です. タイミングが合えば,衛兵の交代式が見れたのですが,私が訪れたのは日曜日でしたので,お休みでした.残念. その代わり,ロンドンマラソンが開催されていました(こっちのほうがレア). ロンドンマラソンが見られるなんて,超ラッキー(このマラソン大会が私の前…つづきを読む
第50話 Welcome to London
2019年2月10日 12:00
ジェンキンズ先生がヨーロッパへ渡航する2日ほど前. 「23日にFolkstone(イギリス)のホテル集合で!!!」 唐突に,集合場所を告げられましたが,慣れたもんです. 飛行機はすでに,予約してあったので,ロンドンのヒースロー空港から,目的地までの移動手段をGoogle先生に尋ねます. ヒースロー空港 ー Victoria駅 (地下鉄) 10分ちょい Victoria駅 ー Folkstone駅 …つづきを読む
第49話 Which do you choose Fieldwork or Job-hunting ?
2019年2月 3日 12:00
3月. 就職活動が解禁し,リクルートスーツを着た学生でごった返す季節になりました. 私も,そのひとりとして,北陸,関東を行き来しておりました. その頃,先生が4月から5月にかけて,ヨーロッパへフィールドワークに行くことになり, 研究室メンバーにも声がかかりました. 私はフィールドに行きたかったのですが,「就活があるから行けない」と自分に言い聞かせて,てっきり誰かが手を挙げるだろうと見ておりました.…つづきを読む
第48話 化学合成ワークショップ 後編
2019年1月27日 12:00
ワークショップの開催場所は,東大の三崎臨海実験所です. ジェンキンズ先生がコンビナーでもあったので,ジェンキンズ研一同は,朝から会場設営に追われます. 臨海実験所の幸塚さんの許可の下,次々と準備が進められていたのですが, 驚いたのが,三浦市のごみの分別の細かさ(2017年3月). 具体的に何項目に分かれていたかは覚えていませんが,幸塚さんも「分別は細かいからね~」とおっしゃっていました. でも,ご…つづきを読む
第47話 化学合成ワークショップ 前編
2019年1月20日 12:00
ケツを叩かれ,いよいよ「兀天狗」の最終章に入ろうとしておりますが, 2017年の春に「化学合成ワークショップ」と「フィールドワーク in イギリス」がありましたので, 時間は前後しますが,そちらを先にお話ししようと思います. さて,3月末の就職活動真っ只中に開催されたワークショップなのですが, 就職活動で,ちょうど関東に行っていたので,気分転換がてら参加しました(久しぶりに外の人にも会いたかったの…つづきを読む
第46話 ケツを叩いてくれてありがとうございます
2019年1月13日 12:00
月日の流れは早いもので,もう1月になってしまいました. 全く何もしていなかったわけではありませんが, 必要最低限のこと(文献演習とか)をして,就職活動,というか今後の人生のプランを考えていたら,1月になってしまいました. 少しずつ,自分が将来やりたいこと,どんな風に生きていきたいのかが,ぼんやりしてきた頃です. (とはいっても,働いてみてからじゃないとわからなかったこともありますね) まあ,これは…つづきを読む
第45話 M1の夏の真実
2019年1月 6日 12:00
今回の話は,M1の夏の私の本音を包み隠さずお話しします. ここで登場するとある2名の方には,読んでいて癪に障ることがあるかもしれませんので,寛大なお心をもってお読みください(個別で話してあるはずです). もし,相違点があれば,「それ違うよ~」と言ってください.あくまで,持論なので. 今後,同じような立場になった学生さんに1‰でも力になれば本望です. M1の夏. 私は就活と部活動(準硬式野球部)に全…つづきを読む
第44話 研究なんて嫌だ(いいや)モード その2
2018年12月23日 12:00
怒濤の学会ラッシュを終えた私は,日常生活に戻りました. 自分で決めたとはいえ,学会の連続で余裕がなく,修士研究が全く進んでいないことに対して,懸念しており, どんどん研究を進めている後輩を見て,焦っていました. しかし,焦りは研究の面だけではありませんでした. 就職した同級生や中学の友達は,すでに社会に出て働いています. でも,自分はまだ学生なのか... このままで研究をしていても良いのだろうか.…つづきを読む
第43話 誰も来ない
2018年12月 9日 12:00
有機地球化学の国際ワークショップに参加している私は,オドオドしながらも,ポスターの近くに立って,聴講者を待ちます. あまり,前に立ちすぎると,聴講者がゆっくりできないかな~と思って, 少し離れたところで見ながら,私のポスターの前で足が止まる人を待ちます. (欲しくもない商品をやたらと勧めてくるアパレルショップの店員みたいにグイグイ行くと失礼かな~と思い,興味がありそうな人がきたら説明に行くスタイル…つづきを読む
第42話 国際有機地球化学ワークショップ 大阪夏の陣
2018年11月25日 12:00
ポーランドから帰国して,2週間後. お次は,大阪の箕面市で開催される国際有機地球化学ワークショップに参加します. 以前述べたように,ジェンキンズ先生と力石さんとのメールで(いつの間にか)参加させていただくことになった学会です. 有機地球化学の人達は,あまり存じ上げておりませんでしたので,少々不安な(寂しい)気持ちもありました. ポーランドでは,ジェンキンズ先生に,多くの研究者を紹介していただいたこ…つづきを読む
番外編 しくじり先生 離れたからこそ感じる英語の楽しさ
2018年11月18日 12:00
「しくじり先生」シリーズ第2弾!!! 今回のテーマは「英語力」です!! ポーランドでの日々を通して,英語の楽しさと難しさと自分の不甲斐なさを感じたことは,おわかりいただけましたでしょうか. (がってん、がってん) 全く英語にふれあう機会のない会社に就職して,はや半年とちょっと. 英語について,いろいろ思うことがある今日この頃. 英語に嫌悪感を抱く学生さんが少しでも,英語の世界に触れられる幸せを感じ…つづきを読む
第41話 Dziękuję Polish
2018年11月11日 12:00
さて,初めての国際学会で感じたことを述べてきたわけですが,今回でまとめましょう. 私が1st international workshop on ancient hydrocarbon seep and cognate communitiesを通して経験できたことは, ・ひとりで外国を旅すること. ・英語でのコミュニケーションの楽しさと難しさ. ・ひとつの研究分野の最先端を味わえたこと. ひとりで…つづきを読む
第40話 Rain bringer
2018年11月 4日 12:00
学会も最終日です. 最終日はポーランドのOwadów quarry(採石場)でのフィールドワークです. 4,5台くらいの車に分乗し,目的地へ向かいます. 車の中では,緊張して何も話せず,ひたすら景色を見ていました. 今自分たちがどこらへんを走っているのか,あとどのくらいで到着するのか,全くわからない状態での旅でした. 数時間後,広大な石切場に到着しました. Owadów quarryは石灰岩が露頭…つづきを読む
第39話 Help meeeeeeeeeeee !!!!!!
2018年10月28日 12:00
ポスター発表当日. プログラムは夕方なので,落ち着かない時間が続いています. 午前は,口頭発表が行われており,指導教員であるジェンキンズ先生に順番が回ってきました. 研究室紹介や講義などで,先生のプレゼンを聴くことは多々ありましたが, 「研究発表」を聴くのは初めて. どんな発表をして,どのように質疑応答を行うのか(しかも英語). "ジェンキンズ"先生とはいえ,日本生まれの日本育ちなので,生粋の日本…つづきを読む
第38話 Oral Section
2018年10月21日 12:00
こちらはポーランド生活での私の朝食。 どこに行っても、牛乳があれば生きていけます。 賞味期限がめちゃくちゃ長いのが気になりますが(この日は6月)。 さて、楽しいレセプションパーティーの翌日。 Oral sectionが始まりました。 当たり前ですが、使用言語は英語。 スライドも質問もすべて英語。 しかし!!!!!!!! 何話しとるかわからん。 chemosynthesisとか、bivalvesと…つづきを読む
第37話 Reception Party
2018年10月14日 12:00
今回の学会の舞台はこちら!!! ワルシャワの中心部に位置する文化科学宮殿です。 建物の中には、科学博物館や研究所、コンサートホールなども含まれているらしく、あらゆる分野が凝縮されています。 こんなに素敵な会場で学会が開催されるなんて、なんとも感動的です!! 夜になると、毎日ライトアップされていました。 さて、前日のレセプションパーティ(食事会)に参加するために夕方頃に、会場に入りました。 「外国人…つづきを読む
第36話 Dzień dobry Polska
2018年10月 7日 12:00
テレッテッテテテーレレー、テーレー、テーレーレーレー。 今日から待ちに待った、ポーランドの旅。 異国の電車はいいですよね~。 世界の車窓から見える景色は、私の気持ちをさらに高めてくれます。 ワルシャワは絵はがきのような美しい街並みです。 さて、私が先生からいただいた地図を頼りに、Institute of Paleobiology PASを目指します。 初めてヨーロッパに来ましたが、まあ、みなさんス…つづきを読む
第35話 イケメン外国人
2018年9月30日 12:00
「じゃあ、ワルシャワの古生物学研究所に来てね」 その言葉を残し、先生は一足先に出国しました。 ジェンキンズ研では、国内であろうと、海外であろうと、現地集合になることが多いです。 今回のポーランドでの国際学会も、現地集合です。 ってなわけで、初の海外一人旅。 直行便はすでに高値に跳ね上がっていたので、ドバイ経由便(エミレーツ航空)にしました。 ワクワクが止まりませんね~(/_・)/ 初めての一人海外…つづきを読む
第34話 デビュー戦
2018年9月23日 12:00
とある先輩の話。 学会はスーツで行くべきなのかと、指導教員でない先生に尋ねたところ、普段着でもOKということで、私服で発表に臨んだ。 しかし、学会発表後、指導教員に「なんでスーツを着てこなかったのか」と云われたそうな。 スーツか普段着か。私も迷いました。 先生に尋ねると、「普段着でも大丈夫」との回答をいただきました。 スーツは荷物にもなるので(特に靴)、金沢に置いてきました。 (一応、ジャケットは…つづきを読む
第33話 地球惑星連合大会
2018年9月16日 12:00
5月、ついにはじめての学会。 毎年開催される、地球科学の分野が一同に集まる地球惑星連合大会に参加します。 「地球惑星連合というと、火星や木星の地球外生命体も参加するかのごとく盛大な学会のように聴こえますが、地球人だけです」という先生の言葉が頭をよぎります。 ついに、その連合大会で発表です!!! 開催地の幕張メッセは、とても広く、圧倒されました。 しかも建物もいくつかあるので、どの建物なのかわかりま…つづきを読む
第32話 近くて遠い
2018年9月 9日 12:00
時は遡り、3月。 私は3人の友人と旅行に行きました。 心置きなく、ありのままの姿で過ごせたので、いままでの旅行で一番楽しかった旅でした。 (そもそもの完全なプライベート旅行経験はほぼカイムさんなので) 旅行に対して、特に魅力を感じていなかった22歳が、今まで感じたことのない「楽しい」感覚でした。 研究とは違う楽しさに、これも「幸せ」なのかと自問自答。 「遊ぶ」ことを知らない22歳にようやく「心」が…つづきを読む
第31話 セカンドシーズン(大学院編スタート)
2018年9月 2日 12:00
卒業研究も終わり、いよいよ大学院へと進みます。 どのくらい古い年代の試料までなら、適用できるのか(どこまで研究が進められるのか)、非常に楽しみでありました。 そしてなにより、念願の学会発表が目の前に迫っています。 自分のプレゼンテーションが、外の世界の人にどう伝わるのか、楽しみです。(卒論発表でスベってしまったので、リベンジしたい!!!!) さて、大学院に入ると「講義」、「TA」が始まります。 …つづきを読む
第30話 栄光の兀橋
2018年8月 5日 12:00
そういえば、みなさん。 忘れているかもしれませんが、私の目標はどうなったのでしょうか。 その受賞者が誰なのか、公式的には、3月の謝恩会で表彰されるまで、confidentialなのです!!! だから、まだわからない。 はずですが、しゃべっちゃう先生がたくさんいるので、発表の1週間後までには、だれが賞を獲ったのか拡散されちゃいます(笑) 特に自分の学生が賞を獲ったら、学生よりも先生がウキウキしがちで…つづきを読む
第29話 アディショナルタイム
2018年7月29日 12:00
卒論が終わったから、春休みだー!!!!!! とはなりません。 5月に開催される地球惑星連合大会に参加するための要旨を提出しなければなりません。 その締切は、卒論提出日の1週間後。 ただ、念願の学会発表なので、楽しみでもありました。 卒論のアブストと違うところは、 ・学会の趣旨に適した構成にすること ・共著者がいること 『共著者』とは? 私は共著者の意味をわかっていませんでしたが、 ・その研究の完遂…つづきを読む
第28話 書く
2018年7月22日 12:00
卒論発表が終わったとはいえ、まだ終わりではありません。 「卒業論文」を書かなければ、卒業できません。 いくら発表が上手くできても、"論文を書くこと"は全く別のフィールドです。 先行研究や先輩の卒論を参考にしながら、書いていきます。 実は、私はマテメソとリザルトに関しては、前もって書いていました。 これらは、ストーリーによって内容が変わるイントロやディスカッションと違って、変わらない事実です。早めに…つづきを読む
第27話 大敵と見て恐れず、小敵と見て侮らず
2018年7月15日 12:00
朝9時。 金沢では珍しい冬の太陽が私の目を覚まします。 コンディションは上々。 ギアを少しずつ上げて、大学に向かいます。 私が考えていた1位を獲るために、大事なこと。 プレゼンテーション(発声、スライドの見せ方) 論理構成 矛盾のないデータ 発表時間 質疑応答 これらの項目で私に立ちはだかってくるだろうと"勝手に"考えていた対抗馬は5人。 彼らに負けないことばかり考えていました。 スーツに袖を通し…つづきを読む
第26話 9分を削れ
2018年7月 8日 12:00
卒論発表まで残り1週間。 ついに、ゼミで発表練習を行います。 途中の質問を挟まずに、本番の形式で発表、質疑応答を行います。 1位を獲るために精魂込めて作ったスライドで発表します!!! ・ ・ ・ 「以上で発表を終わります」 先生「時間は?」 学生「24分です。」 本番の発表時間は15分。 9分もオーバーしてしまいました(笑)。 詰め込み過ぎました。1年間やってきたことをフルに話そうとした結果です。…つづきを読む
番外編 続・奨学金は利用すべきか!? 返還免除制度
2018年7月 1日 12:00
奨学金の返済額を減らすための制度をご紹介します。 ・JASSOの奨学金返還支援制度 ・地方自治体の奨学金返還支援制度 ・企業の奨学金返還支援制度 ・JASSOの奨学金返還支援制度 JASSOでは、優れた業績を残した"大学院生"に対して"第一種"奨学金の返還免除をしています(詳しくはこちら)。 知らない人も多い制度だとか。 いい先生なら、こういった制度も教えてくれるはずです(自分のことは自分でやれス…つづきを読む
番外編 奨学金は利用すべきか!?
2018年7月 1日 12:00
みなさんは、奨学金を借りていますか? あるいは、借りようとしていますか? 唐突な話ですが、先日、奨学金について、JASSOからお便りが届きました。 今回は番外編として、お金について、学生のときに私が感じていたこと、そして社会人になって感じたことを包み隠さずお話しいたします(やや長いです)。 大学院で研究するためには、お金が必要です。 授業料や生活費など莫大な費用がかかるのが、日本の教育現場の現状で…つづきを読む
第25話 ベストオブ勘違い
2018年7月 1日 12:00
本当にありがとうございました。 私は力石さんの超スペシャルなご厚意によって、卒論に間に合うかどうかは微妙なラインですが、アミノ酸の窒素同位体比を測定していただけることになりました。 そのアミノ酸の窒素同位体比に向けて、試料の濃度調整を行います。 私はこの工程で、大きなミスをしてしまい、力石さんに多大なご迷惑をかけてしまうことになります(申し訳ない気持ちと感謝の気持ちでいっぱいです)。 アミノ酸に限…つづきを読む
第24話 誘導体化強化週間
2018年6月17日 12:00
激動のクリスマスを終えた私でしたが、忙しさはまだ続きます。 借用した化石試料からアミノ酸を抽出し、誘導体化をしなければなりません(have to じゃなくてmust)。 個体数や部位、条件変化の試料があるので、全部で10試料くらいでしたかね。 表面の付着物を除去し、殻を割り、必要な部位だけを取り分けて、 その後、① バイアルに入れて、一晩ブリーチします。 翌日、② 塩酸で殻を溶かし、さらに一晩かけ…つづきを読む
第23話 クリスマスデート
2018年6月17日 12:00
クリスマスイブです。 街中に青、赤、白などの電飾が施されています。 そんな一年で最も活気づく日、12月24日に私は先生と福井県に来ています。 もちろん、先生とふたりでクリスマスの福井県を満喫しようというわけではありません。 2週間ほど前、松島先生の標本よりもさらに古い年代の化石が必要じゃないかという議論になり、慌てて試料を探しました。 先生の居室で、いろんな博物館に電話します。 しかし、先生が電話…つづきを読む
第22話 生命の星・地球博物館
2018年6月10日 12:00
受付のお姉さまに、訪問の旨を伝えると、博物館の中へ案内していただきました。 奥に進むと、松島先生と学芸員の田口さんが出迎えてくださいました。 まず、松島先生から「どういった研究なのか教えてくれ」とのことで、私の研究を説明し、博物館の標本をどのように活用するのかを説明します。 自分の研究を人に伝えるというのは、とても難しいです。 特に研究を始めたばかりのこの頃は、視野が狭く、自分の研究分野がメジャー…つづきを読む
第21話 江ノ電の車窓から
2018年6月 3日 12:00
神奈川県立生命の星・地球博物館に行く前に、借用する試料の情報が鎌倉市の図書館にあるということなので、鎌倉にやって参りました。 鎌倉はとても落ち着いた街並みで、観光客もちらほら伺えます(平日ですからね)。 800年前に日本の中心となっていた鎌倉。その源頼朝ゆかりの地で、ぜひとも鶴岡八幡宮に行きたかったのですが、時間の都合で行けませんでした(う~ん、残念)。 さて、図書館への道中、森に佇む小学校を見つ…つづきを読む
番外編 俺みたいになるな!! 研究で後悔したこと
2018年5月27日 12:00
こんにちは。いつもこのブログを読んでいただきありがとうございます。 まもなく20話に突入しますが、ここらへんでエピソードとは別に、修了してみて後悔したことをお話ししたいと思います。 「事業が成功した人」や「研究者として自立した人」の話を聴く機会は、よくありますが、「失敗した人」や「後悔している人」の話はあまり耳にしません。 いい話を聴くことも大事ですが、失敗談を話して、"なぜ失敗したのか"を学ぶ機…つづきを読む
第20話 JAMSTEC修行の旅 その4
2018年5月27日 12:00
さて、いよいよ「陽イオン交換クロマトカラムを用いた夾雑物の除去」の工程に入ります。 そもそも、なぜ夾雑物を除去しなければならないのか。 夾雑物が残っていると誘導体化試薬と反応してしまい、アミノ酸が上手く誘導体化できなくなってしまうからです。要は、お邪魔虫さんです。手法についての詳細はTakano et al. (2010)をご覧ください。 筋肉のアミノ酸を抽出することに対し、殻のアミノ酸を抽出する…つづきを読む
第19話 JAMSTEC修行の旅 その3
2018年5月27日 12:00
山が赤く染まり始めるころ、どの学生も卒論のデータ収集に向けて本腰を入れます。 アミノ酸の誘導体化手法を習得した私は、次のステップ「殻体内アミノ酸の抽出」を学ぶため、三度目のJAMSTEC修行に赴きます。つまり、なんと4回目の北陸新幹線(いや~贅沢)。 3月に開通したばかりだというのに、4回もかがやけるとは思いませんでしたね。 「JAMSTECまでの道なら、もう慣れたもんですよ」と言わんばかりのドヤ…つづきを読む
第18話 やれば終わる文献演習
2018年5月20日 12:00
金沢大学の地球学コース、地球環境学コースには、学部と修士のときに「文献演習」という課題があります。 文献演習に悩んでいる4年生に向けて、私の経験が少しでもチカラになればいいなと思います。 さて、文献演習とは、その字のごとく、文献(英語論文)を読んでまとめる課題で、2パターンの進め方があります。 A. 英語論文50ページを和訳する B. 英語論文50ページ(修士はもっと読む)をまとめる 修士はBのみ…つづきを読む
第17話 初のアミノ酸クロマト
2018年5月13日 12:00
GC/MSで分析したいのですが、アミノ酸を分析するためのプログラムがありません。 「アミノ酸 GC」でGoogle先生に尋ねると、いろんな測定条件を教えてくれます。 ひとえに「GC分析」と言っても、試料注入法から検出器まで、ほんとにたくさんの項目(測定条件)があります。細かい用語はわからなかったのですが、とりあえず印刷して、知ったかぶりながら後藤さんに相談しに行きます。 本来は、知ったかぶりするの…つづきを読む
第16話 見るのとやるのは違う
2018年5月13日 12:00
JAMSTECで記録した手順ノートを元に、誘導体化を進めていきますが、後藤さんと先生は、実験に慣れない手つきの私を不安そうに見守ります。 とはいえ、最もひやひやしていたのは私自身。 力石さんのところでしっかり習得できたと思っていたのですが、いざやるとなるとスムーズにできません。 教わりながら進めるのと、自分が主体的に進めていくのでは、全然違うんですね。 経験が浅い人間がピペットなどの実験器具を使う…つづきを読む
第15話 費用対効果
2018年5月 6日 12:00
標本があっても、分析できなければ意味がありません。JAMSTECで学んできた誘導体化を金沢大学でもできるように、ラボを整備していきます。 アミノ酸分析のために ・物品調達 ・前処理(アミノ酸の抽出、誘導体化) ・ガスクロマトグラフィーでの分析 を、しなければなりません。 まずは物品調達です。 これがまあ高いんですね。薬品やら器具やら分析ってお金がかかるんですよ。 幸いにも、先生の科研費のうち、アミ…つづきを読む
第14話 雨ニモマケズ
2018年5月 6日 12:00
静岡県の筑波大学臨界実験所に到着したころ、雲行きが怪しくなってきました。 北海道の雨をもたらしたのは、やはり私だったのかもれません。 さて、天気が悪いと言っていても何も始まらないので、雨が降ってこないうちに、やることをやってしまいましょう。 JAMSTECの藤原さんチームと合流し、早速仕事に取り掛かります。 堆積物を掬って、ふるいにかけます。 「ふるい」と言っても、90×50くらいのふるい(給食の…つづきを読む
第13話 東京大学に潜入
2018年4月29日 12:00
どどーーーーーん!!!! やってきました!!東京大学!!! 日本最高学府の入口である赤門を前にして、テンションが上がります!! 実は、この東京大学の「赤門」は、徳川第11代将軍家斉の第21女溶姫(何人こどもおるんや)が加賀藩第13代藩主前田斉泰に輿入れした際に、溶姫を迎えるため建てられたもの(東京大学総合研究資料館 東京大学本郷キャンパスの百年より)らしく、 我が故郷の石川県とゆかりがあるんです。…つづきを読む
第12話 運命の大学院入試
2018年4月22日 12:00
完全復活を果たした私は、お気に入りのネクタイと黒のスーツを身に纏い、微塵も臆することなく試験会場へ向かいます(いつも通り大学行くだけなんですけどね)。 スーツって、男の魅力を最大限に引き出してくれる服装のひとつだと思うので、私はスーツを着ることが大好きです。身が引き締まります。 金沢大学大学院の試験は、A試験(筆記試験、TOEIC、面接)と筆記試験免除のB試験(TOEIC、面接)に分かれており、G…つづきを読む
第11話 研究なんて嫌だモード
2018年4月22日 12:00
7月後半、北海道での収穫のなさに、落胆しすぎていた私は、徐々に研究に自信がなくなってきました(もともと過信だったのかもしれませんが)。 発表賞を獲るために、「休んでいる暇があればクオリティを上げよう!!」と言わんばかりに、休日返上で研究していたのですが、悶々として全く捗りません。 私はサインカーブのごとく周期的にネガティブになる時期があります。 「このまま、あと2年半も研究できるのだろうか」と、不…つづきを読む
第10話 はじめてのフィールド ~Part Ⅳ 連絡が取れない~
2018年4月15日 12:00
さあ、いよいよフィールド最終日です。 (何をしたかは覚えてませんが)午前中の作業を終え、フィールドに向かいます。 最後ということで、みなさん気合が入っています。 私もせっせこらと、化石を探します。 異常巻きアンモナイトの破片やらが見つかりますが、これがまた殻体が保存されていないのです... うーむ、なかなか上手くいかないもんです。 そんな私を見かねた先生から助言を頂き、めちゃくちゃ大きい母岩を割り…つづきを読む
第9話 はじめてのフィールド ~Part III 金沢の雨男~
2018年4月 8日 12:00
次のフィールドへと向かいますが、台風の影響により、雲が暗くなってきました。 先生「雨降りそうだね~。なんとかもってほしいな~。やっぱり、おれは雨男なのか(笑)」 私の指導教員は雨を呼ぶ男として有名です(たぶん)。 先生「あれ?でもキミの学年の野外実習も雨ばっかりだったよね?おれの担当が終わっても雨が降ることあったし、キミが雨男なんじゃないの?(笑)」 私「確か、4月にJAMSTEC行ったときも雨が…つづきを読む
第8話 はじめてのフィールド ~Part II 化石が採れない~
2018年4月 1日 22:35
翌日、早速フィールドに向かいます。 みなさんの目的は、化学合成の化石ですが、私の目的は化学合成に限らず、アミノ酸を保存していそうな「保存の良い化石」を見つけることです。 ただ、そこは、北海道の山の中。生物学的な恐怖は常に持ち合わせています。 私は、ひとりで北海道の化石調査は絶対できません。 なぜなら怖いから(熊おるし)。 ひとりで調査できる人たちを、尊敬します。 さて、沢に入っていくと、次第に露頭…つづきを読む
第7話 はじめてのフィールド ~Part I 2人の研究者との出会い~
2018年3月29日 06:38
新千歳空港に降り立った私は、札幌を足早に観光した後、「スーパーカムイ」に乗って、岩見沢駅へ向かいます。 私は、小さいころから電車が好きだったので、様々な地方の電車に乗ることにわくわくします(特に顔が好きですね)。 岩見沢駅で先生と合流し、宿に向かいます。 (岩見沢駅前にはきれいな花壇が広がっていました。) その道中で、ホームセンターに寄り、足りなくなった物資を調達している東大博の佐藤圭博士研究員(…つづきを読む
第6話 JAMSTEC修行の旅 その2
2018年3月25日 17:54
翌朝、9時にJAMSTECに到着し、続きの誘導体化を行っていきます。 反応試薬をバイアルに入れて、加熱し、2時間待機です。 2時間後、反応試薬をバイアルに入れて、加熱し、再び2時間待機。 "待つ"ことが多いので、じっとしていられない性格の人は向いていないかもしれませんね~。 ここで、お昼ご飯です。 JAMSTECの食堂で力石さんとごはんです。 すると、となりに外国人が座ってきました。 途端に、会話…つづきを読む
第5話 JAMSTEC修行の旅 その1
2018年3月24日 09:11
夏、いよいよ、力石さんからアミノ酸の抽出・誘導体化の手ほどきを受けることになりました。 今回は、アミノ酸の窒素同位体比分析を行うための、アミノ酸の同定から濃度の調整法までを学びました。 先生は北海道でのフィールド調査中でしたので、私一人でJAMSTECに乗り込みます! JAMSTECの「かいよう」の出迎えを背に、力石さんと実験室へと向かいました。 実験室に入ると、早速、前処理の指導が始まりました。…つづきを読む
第4話 アミノ酸プロジェクトの幕開け ~巨匠との出会い~
2018年3月20日 20:27
4月、金沢では桜が満開です。 4年生に上がり、本格的に研究が始まりました。 まずは、研究の方針をかためていきます。 基本的には、指導教員との相談の下、研究方針を固めていきますが、 指導教員はアミノ酸の知識をほとんど持ち合わせていなかったので、 アミノ酸の窒素同位体比を用いた栄養段階推定手法を開発したJAMSTECの力石嘉人氏(現 北海道大学低温研究所)と、有孔虫の研究者の土屋正史氏と打ち合わせして…つづきを読む
第3話 松木先生のコトバ ~大学院へ進学すべきか~
2018年2月23日 18:05
研究テーマが決まりましたが、その裏で起きていた、大学院進学への経緯を少しお話します。 今の時代、理系学生は大学院へ進学することが当たり前のようになってきました。 金沢大学自然システム学類(2018年度から地球社会基盤学類に変わります)も進学率が60%と、大学院へ進む人が多いです。 私の周りの人も、「大学院に進学する人」が多かったです。 「とりあえず行きたい」とか「そういう世の中の流れだから」という…つづきを読む
第2話 研究テーマ ウルトラC
2018年2月16日 15:45
さて、研究室が決まったところで、次は研究テーマ決めです。 ロ「何がやりたいの?」 兀「卒論発表会で1位を獲りたいです!! 1位を取って、GPAと研究は比例しないぞと、後輩たちに夢を与えたい!!(ほんとは、カッコイイところを見せたいという下心です...)」 (地球学コースでは卒論発表会に上位2名までが表彰されるのですが、私は甲子園を目指す球児のごとく、野心がありました。) ロ「それはいい目標だね。う…つづきを読む
第1話 ジェンキンズ研へのトビラ
2018年2月15日 20:30
「研究室を選ぶ」というのは、人生のターニングポイントといっても過言ではないでしょう。だからこそ、たくさん悩みました。みなさんも悩んだ(悩んでいる)と思います。 私が、研究室選びにおいて大事にしていたことは 「自分のやりたいこと」 「指導教員」 の2つです。 私は入学当初、具体的に「やりたいこと」がありませんでした。自分が何に興味があるのか、探りながら講義や実験をこなしてきました。 漠然とやりたいな…つづきを読む
まえがき
2018年2月15日 18:59
みなさん、こんにちは。 無数のインターネットサイトがある中で,このページに足を運んでいただきありがとうございます。 ここでは、ジェンキンズ研3期生である兀橋くんが、3年間の研究生活を通して、悩み、苦しみ、楽しんだエピソードを綴っておきます。 僕の「10のバケツリスト」のひとつに「本を書くこと」があります。 その練習といっては読んでいただくみなさんには失礼ですが、 エピソードを通して、学生視点でのジ…つづきを読む