【進路相談室】 地学を専攻して就職できるのか?

2020年7月24日 22:40 カテゴリ:兀天狗

みなさん,お久しぶりです.

先日,地球学のM先生から,「コース選択に迷う2年生向けに,地球学の良さを伝える座談会に参加してほしい」とお誘いがありました.

いや~,私,こういうの好きなので,率直に嬉しかったですね.

普段連絡してない人とも(オンライン上で)会えましたし,楽しかったです.

みなさん,かっこよく働いてますね,「がんばらねば!」と元気をもらいました.

で,2年生や保護者からの声で多いのが,

地学を専攻して就職できるのか

どういった就職先があるのか

といった就職に関する不安があるとのこと.

まあ,確かに私もコース選択のときは,就職先はほかのコースよりも少ないかな~と思っていましたし,気持ちはわかります.

結論から言いますと,

就職はできます!地学と関係ない大手企業会社にいく人も多いです!

(大手だからいいわけではありませんが)

実際に私の周りは,自動車メーカー,ゼネコン,通信,インフラ,資源開発などの最大手クラスの企業に入社した人もいます.

もちろん,地学系のコンサルや地元の企業,地方自治体に入ったりする人もたくさんいます.

話を聴いていると,少なくとも私より待遇が良い会社ばかりです(笑).

企業名については地球学のホームページをご覧ください.

いずれにせよ,地学分野に限らず,多様な業界に就職している実績がありますので,

就職に不安を覚える必要はないと思います.

ただ,一部業界の大手(機械系や電気系,医薬系?)を狙おうという人は,ちょっと厳しいかもしれませんね.

工学系の学科は日本全国にたくさんありますから,単純に闘う母数が多いのと,

企業側が「募集職種関連学部しか採用しない」こともあります.

研究職ならなおさらです.

では,内定を出す企業側が何を求めているのか?

各所の採用担当者によると,

学生生活の中で人に負けないくらい力を注いだことがあるか.

らしいですよ.

大学時代に専攻した学部も大切ですが,

なぜその学部を選んだのか.

その学部で何を学んだのか.

もしくは,部活や留学,その他活動で何を得たのか.

そして,それをどう会社に活かせるのか.

これを語れる人が良いらしいですよ.

上手に語るためには,伝える力が必要です.

「面接や採用試験では,10の実力があっても伝える力が1しかないと1にしかならない.5の実力であっても伝える力が10あれば5になる.」

私の尊敬するスーパーレディーのお言葉です.

10の実力を見極められる採用担当者が入れば話は別ですけど,すべての企業の人事がそうとも限りません.

したがって,上手に伝える力を身につけることが大事なのです.

私としては,本当にその学生を採用したいと思うなら,内定を出した後でも良いので学生の研究風景(頑張っている姿)も見に来いや,とは思うんですけどね.

地球学コースを選んだあなた.

これから,プレゼン力が鍛えられます.

指導教員にもよりますが,地球学コースは発表に力を注いでいます.

「導入」から「結論」までつなげる力

「論理的思考力」が身につくと思います.

聞き手に自分の話を理解してもらうためには,話のつながりが重要です.

例えば,志望動機ひとつにしてもそうです.

「環境問題をやりたい」→「御社を希望します」と言われてもピンと来ませんよね.

「地球が抱える環境問題はたくさんある」

        ↓

「その中でも海洋生物の保護に関わりたい」

        ↓

「海洋生物の生態は,水温上昇,マイクロプラスチックなどが影響している」

        ↓

「有害物質がどのように体内で作用するか研究していた」

        ↓

「大学で学んだことを活かし,社会に出ても海洋プラスチック問題に取り組みたい」

        ↓

「海洋プラスチック問題が取り組める企業を探した」

        ↓

「海洋プラスチックに取り組んでいる御社を希望します」

(あまり,いい例にならなかったかも・・・.)

みなさんが採用側の立場になって考えてみてください.

どう言われると,「お!一緒に働いてみたいな」と思いますか?

細かすぎると鬱陶しいですが,情報は多い方が良いです.

あとは,制限時間に合わせて,取捨選択するだけです.

就職活動で大切なのは,

「人に負けないくらい力を注いだこと」をいかに「上手く伝えられるか」です.

地球学では,「話を上手く伝える方法」を教えてくれます(きっと).

加えて,「人に負けないくらい力を注いだこと」をやれるか.これは自分次第でしょう.

したがって,地球学を選んで,就職先がないということはありません.

実際に,その「人に伝える力」が身についているみんなは有名どころの内定もらってましたし.

就職も大切ですが,「大学」は「社会人養成所」ではありません.

「大学」は学問を追究する機関です.

自分の興味を好きなだけ追究できる機会はそうそうありません.

しかし,その経験があれば,就職活動も上手くいくと思います.

いまはコロナウイルスの影響で,想定外のことばかりが起きていますが,前を向いて頑張りましょう.

地球学を選んだ人には,絶妙な距離感で接してくれる先生たちが,全力でサポートしてくれるはずです.

会社に入ると,利益とか上司のご機嫌とかいろいろ支障が立ちはだかってきますし,やりにくいな~と,私は思いました.

地球学を選ぶかどうかは,どちらでも構いません.

きっとどの学部にも,魅力はありますし,きちんと指導してくれる先生がいるはずです.

あとはそれに気づけるかどうかですね.

ご精読ありがとうございました.