第72話 力石学会
2019年7月 7日 12:00 カテゴリ:兀天狗
生態学会から数日後.
北海道大学低温科学研究所と定山渓温泉にて,アミノ酸の窒素同位体比研究者による会合(力石学会)が開催されました.
力石研のラボツアーから始まり,GC/IRMSの見学です.
さすがは,アミノ酸の研究者一同.
どんどん,装置に関する疑問を力石さんにぶつけて,議論していきます.
そこで,私がうれしかったのは,みなさんの会話の内容が理解できたことです(もっと嬉しいこともありましたね).
GC/IRMSの改良をしていたこともあり,機械のいろんな名前や現象が頭に入っていたからです.
みなさんの会話に取り残されずに過ごせたことに,自分の成長を感じました.
ま,大事なのはその知識をいかに使えるかですね.
定山渓温泉では,みなさんの研究成果を発表しあいました.
マメ科の話はとても興味深かったですね.
あれから1年半経っていますから,なにか進展があったのでしょうか.気になります.
私の研究に最も関係する話は,誘導体化率の話です.
前処理の際にアミノ酸を誘導体化するのですが,その同位体比が$$#@?>&%$(秘密です♡)
前処理の課題も尽きないので,
まだまだまだまだまだまだまだまだ大変だけど,いつかは復元できる日が来るはず.
しかし,日本全国からアミノ酸研究者が集まってきていますが,
みなさん,やはり力石さんに質問攻めです.
改めて,力石さんの偉大さを感じました.
なんでしょう.
このアミノ酸コミュニティの人達ともっとたくさん議論したい.
もっとたくさん時間を過ごしたい.
もっとワクワクしたい.
この人たちと一緒な方向を進んでみたい.
こういった感情が湧き出てきました.
もちろんジェンキンズ先生とも,もっと研究したい気持ちもありましたが,
個人に対してでなく,ひとつのコミュニティにこれだけ惹かれたのは初めてです.
ポーランドでのカイムさん達にも惹かれましたが,やはり私は地球生物化学が一番好きなようです.
古生物(特に生態)も興味はありますが,やはり"化学""というツールをつかって,謎を紐解いていくことが好きなのかもしれません.
ただ,両者ともに共通するのは"非日常"であること.
非日常な空間はどうしても,刺激が多いですし,その魅力は何倍にも膨れ上がりやすいです.
勘違いしないようにしなければ!!!
私は,北海道にきて,サイエンスの世界がより魅力的に感じるようになりました.
もう1年早く,改良などが進んでいれば,進学という選択肢を選んでいたかもしれません.
M1までは,研究で"結果"を出すことが重要だと考えていましたがそうではありませんでした.
Prernaさんの言葉にもあるように,結果から考察するのが我々の仕事です.
そして,それが一番面白いのです.
力石さんにも言われました.
「まず,仮説を立てて,検証していく.予想通りに行くこともあるけど,だいたい反した結果になる.そうなったときに,最初は自分の手法を疑う.
手法が完璧なら結果は真実.なぜそうなったのかを新たに考察していく.」
サイエンスって最高ですね.
(風邪をひいていなければもっとよかった)
金沢に帰還後も,力石さんから,とてもありがたいメールをいただきました.
いまもつらくなったときに,見返して,元気をもらっています.
いつか,またお会いできるように,私も精進してまいります.