第57話 博士後期課程に進学しなかった理由 弐幕
2019年3月24日 12:00 カテゴリ:兀天狗
博士後期課程に進学しなかった理由
・今の力量でアカデミックの世界で勝負する勇気がなかった.
・自分のやりたいことが,「民間企業」でも達成できるのではないかと感じた.
・進学するにしても,いったん教育機関を離れて「民間企業」というものを見てからでも良いのではないかと決めた.
☑自分のやりたいことが,「民間企業」でも達成できるのではないかと感じた.
<M1当時考えていた理由>
私は大学4年生まで,長期的な視野での「やりたいこと」がありませんでした.
とりあえず目の前の興味のあることや楽しいことばかりにエネルギーを注いでいました.
しかし,大学卒業を控えた3月に周りを見て,自分の"幼さ"に情けなくなったことを覚えています.
そんな悔しさを抱きながら,就活を続けていくうちに,自分のやりたいことがぼんやりと見えてきました.
それは,一朝一夕で見つけたわけではありません.
インターンシップや学会,その他活動を通して,たくさんの人に会い,たくさんの人と話して、登りたい山の頂が霞みながらも見えた程度です.
まあ,アカデミックの山に登って,通ってみたい山道もいくつかありましたので、迷いましたが.
どちらの山を登るにしろ,共通する箇所があり,そこを目指したいと思っていました.
(具体的なことは1人か2人にしか言ってないので内緒です!!!)
だから,無理に「進学」にこだわらなくてもいいかな~と.
しかも,働けばお金ももらえますからね!!!
ただ,自分がどういうスキルを向上させたいかと考えたときに,
プレゼン(人前で話すこと)は武器にしたいなと思いました.
おそらく,ジェンキンズ研で研究生活を過ごしていれば,プレゼン能力は比較的向上しやすいと思います.
私も博士後期に進んでいれば,さらにスキルアップできたことと思います.
でも,井の中の蛙大海を知らずといいますが,ジェンキンズ研だけで生活していると,その色しかわからなくなってしまうので,
一回外に出て,自分の発表スキルがどこまで通用するのかを探りながら,新たな知見を得て,もう一回り向上させたい所存でございました.
プレゼンは,研究だけじゃなくて,民間企業においても,重要なツールであり,不可欠な能力です.
だから,民間企業に入っても,能力を磨く機会はあるんじゃないかと期待していました.
しかも,お金ももらえますからね(2回目).
勉強しつつ,お金をもらえるなら,そのほうがいいですよね.
<いま何を感じるか>
プレゼンの機会が0.
発狂しそうです.
仕事柄,そういった機会が少ないというのもありますが,全くない(笑).
正直(こんなこと書くと多方面から反感を買いそうですが),社会人になって,「この人のプレゼンには勝てないな」という人に出会っていません.
物足りないです.
自分が一番自信のある能力で勝負する機会が全くないのは,悲しいです.
でも,この状況を考察してみると,ふたつのことが明らかになりました.
ひとつは,「プレゼン」は得意だが,「対話」が苦手であること.
in other words, 「自分で組み立てて準備したこと」はできるが,「頭の回転が遅く,咄嗟の要求」に対応できない.
現場でお客さんと話しているときに,言葉が出てこないのです.
知識や経験が足りないことも考えられますが,回避術も使えていません.
その点は,先輩方の背中を見て勉強するしかないですね.
ふたつめは,「必要とされていない」ということ.
もちろん,人間的な意味ではないですよ.
仕事をする上で,私の発表は必要とされていないのです.
仕事(賃金)が発生するということは,ニーズがあるということ.
道路工事も地質調査もアイドルの写真集もスマートフォンも世の中にニーズがあって初めて仕事になるわけで,
私の発表には誰かに影響を与えることができるレベルに達しておらず,ニーズがありません.
プレゼンはやりたいですが,「じゃあ君の発表が何を生み出してくれるのか」と言われたときに,「なんも言えねえ」と思いました.
だから,私はいまは勉強と経験を積み重ねていくしかありませんね.
あーーーー!必要とされたい(いろんな意味で)!!!!
プレゼンの機会がカイムさんなのは悲しいですが,
違った視点で自分を客観的にとらえることができたという意味ではよかったと思っています.
近道を通っているのか,遠回りしているのかはわかりませんが,"登りたい山"の道を進めていると信じて頑張るしかないですね.