第34話 デビュー戦
2018年9月23日 12:00 カテゴリ:兀天狗
とある先輩の話。
学会はスーツで行くべきなのかと、指導教員でない先生に尋ねたところ、普段着でもOKということで、私服で発表に臨んだ。
しかし、学会発表後、指導教員に「なんでスーツを着てこなかったのか」と云われたそうな。
スーツか普段着か。私も迷いました。
先生に尋ねると、「普段着でも大丈夫」との回答をいただきました。
スーツは荷物にもなるので(特に靴)、金沢に置いてきました。
(一応、ジャケットは持って行こう)
発表当日の朝、会場に入るやいなや、
「デビュー戦がんばってね」と先生からエールをいただきました。
コンビナーの方々(あれ、みなさんスーツ?)に挨拶したあと、いよいよセッションが始まります。
序盤の発表は学生さんばかりでした。
修士の学生さんは、私と同じく卒論をポリッシュアップしたものなのでしょうかね。
外部の同世代の発表を聴くこと自体が初めてだったので、非常に楽しみでした。
(ちょっとまって。)
(みんなスーツで発表してないかい)
(あれ?これ大丈夫?)
発表とは別の緊張感が襲ってきました。
思ったより、きっちりした雰囲気だったので、さすがにTシャツはやめよう。
ジャケットもってきてよかったあ(。・ω・。)
てなことを考えている内に、私の出番になりました。
が、
時計がない。
パソコンは複写モードになっとるし、発表時間がわからない!!!
もう、感覚で発表するしかない。
(そんなにオーバーすることはないでしょう!!)
久々の緊張感。脈を打つスピードが速くなります。
私の人間性と研究内容をよく知っている金沢大学の先生方を相手にすることと訳が違います。
今回の相手は、古生物学のプロフェッショナル達です。
なにを指摘されるのかわかりません。
(でも、新たな視点は大事です)
「それではよろしくお願いします」
昨日一晩考えた笑いをとる箇所。
今回は自己紹介で勝負に出ました。
先祖から授かった天性のネタ、私の「名字」を使って、軽めのジャブを入れると、聴衆から(小さいながらも)笑い声が聞こえました。
よっしゃー!!!やってやった(笑)
これで、かなり気持ちに余裕ができました。
つかみはOK。
あとは、研究のおもしろさを伝えるだけ!!!
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(発表中)
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これまた発表中のことは、全く覚えていません。
また、口は動いていましたが、質問の意図に対して、うまく答えられなかった気がします。
みなさんが興味を示すのは、「本当にアミノ酸が化石にも残っているのか」。
うーん、明確な回答ができなかった。
とはいえ、先生からは「よかったよ、学会デビューお疲れ様」と労いの言葉をいただきましたが、私自身も、悪くなかったと思います(笑いもとれたし)。
ただ、「つまようじ仮説」を入れてもよかったと反省しました。
これで終わりじゃなくて、これから学会発表が続きます。
今回の反省を活かして、よりよいものを作っていきたいものです。
発表会場を後にしようとしたところ、お隣の研究室の先生からは「せっかくいい発表したんだから、スーツで来なよ。」と言われました。
(あれ?どこかで聴いたことあるやつ???)