第10話 はじめてのフィールド ~Part Ⅳ 連絡が取れない~
2018年4月15日 12:00 カテゴリ:兀天狗
さあ、いよいよフィールド最終日です。
(何をしたかは覚えてませんが)午前中の作業を終え、フィールドに向かいます。
最後ということで、みなさん気合が入っています。
私もせっせこらと、化石を探します。
異常巻きアンモナイトの破片やらが見つかりますが、これがまた殻体が保存されていないのです...
うーむ、なかなか上手くいかないもんです。
そんな私を見かねた先生から助言を頂き、めちゃくちゃ大きい母岩を割ります(これがまあ硬くて、握力43にはハードな作業です。)。
しかし、気が付くと、時計の針が南を指そうとしており、時間がありません!
ジェンキンズ研のルールでは、安全確認のために、18時(あるいは19時)頃までに、沢から上がったことを研究室LINEに連絡することとなっています。
(指定の時間までに連絡がなければ、研究室のだれかが警察に連絡します)
先生「じゃあ、そろそろ引き上げますか。」
兀「はい。そう...しますか...。」
まだやりたい気持ちを隠し切れない私の表情を見て、
先生「せっかく、北海道まで来たんだから、悔いのないようにやりな。アディショナルタイム30分だ。」
と、延長戦に向かうことを認めてくださいました。
延長戦を終えた私たちは車に乗り込み、佐藤さんにお別れを告げて、フィールドから離れます(プチお財布事件もありました笑)。
疲労に加えて「この道大丈夫かな」という道を通っており、車内は静まり返っています。
そんな中、Kaimさんジュニアが一言。
「Are you going shortcut course ?」
車内が笑いの渦に包まれます。なんてユーモラスにあふれた高校生なんだ(笑)。見習わなければ!!
一気に和やかな雰囲気になり、ワイワイし始めます。
一方、金沢大学では、作業終了連絡を待っていた研究室のMさんがそわそわしています。
(ここの話は伝聞なので、正確に合っているかはわかりません)
M「なあKB、まだ連絡きてないけど大丈夫かな。警察に連絡した方がいいかな。」
KB「ええ!!まだ帰ってきてないの!?大丈夫かな。もう少し様子を見てみよう。」
私たちの身を案じた先輩方が、緊急体制に入ろうとしています。
そのころ私たちは、山道から一般道へと進んでいました。
先生「そういえば、研究室LINEに連絡しないとね。」
連絡しようと、スマホを開いたのですが、緊急事態です。
兀「先生!!!!!」
先生「どした!!!?」
兀「電波が通っていません!!!!!」
先生「(+o+)!!!!!!!」
さすがは北海道の山。一般道に出ても全然電波が通りません。
緊急体制に入る18時をまわってしまい、我々も焦り始めます。
一般道なのに、電波が通らない!!!!!
結局、定刻の20分か30分遅れて、連絡することができました。
あのときは、ご迷惑とご心配をおかけいたしました。電波が入りませんでした。
これからフィールドに行くみなさんは、「電波がどこまで届くのか」を把握したうえで作業をしましょう。
安全を確保するためにも、これは重要なことです。
てなわけで、はじめてのフィールド調査がおわりました。
翌日、小樽からフェリーに乗って、帰還します。