第6話 JAMSTEC修行の旅 その2
2018年3月25日 17:54 カテゴリ:兀天狗
翌朝、9時にJAMSTECに到着し、続きの誘導体化を行っていきます。
反応試薬をバイアルに入れて、加熱し、2時間待機です。
2時間後、反応試薬をバイアルに入れて、加熱し、再び2時間待機。
"待つ"ことが多いので、じっとしていられない性格の人は向いていないかもしれませんね~。
ここで、お昼ご飯です。
JAMSTECの食堂で力石さんとごはんです。
すると、となりに外国人が座ってきました。
途端に、会話が英語になり、私は蚊帳の外です。
JAMSTECの人たちは、唐突に英語の会話が始まります。
さすが、JAMSTECと言わんばかりです。英語ができなければ、この世界では、やっていけないなと実感したところです。
さて、誘導体化が終わるころ、ラボに戻って、実験再開です。
誘導体化の作業は完了したので、アミノ酸を回収していきます。
いろいろと前処理を行ってきたのですが、なんといってもアミノ酸は目に見えないので、いまいち、上手くいっているのか、わかりませんでした。
力石さん「よし。これで、アミノ酸の誘導体化は終わりね。今晩、オートサンプラ―にセットして、上手くできているか見てみよう。明日になれば、結果が出ているよ。」
前処理の指導が終わり、帰路に着きます。
JAMSTECに来て、刺激を受けたことのひとつに、「メリハリ」があります。
みなさん、朝9時までには出勤して、夕方17~18時には帰るのですが、その仕事に対する集中力がとても高く、ちゃっちゃかやってしまいます。
金沢大学では、だらだら~と仕事をして、夜遅くまで、残ることも多かった私は、「カッコイイ!!」と感じ、これを大学でもやろうと思いました!!
さあ、いよいよJAMSTECの最終日!!
昨日セットしておいたサンプルから得られたクロマトを基に、ガスクロマトグラフィー(GC)の見方を勉強しました。
当時の私はGCに関する知識が乏しすぎました(力石さん、懇切丁寧なご指導ありがとうございました)。
頭をフル回転させ、GCを理解していきました。
さて、肝心のクロマトですが、力石さんのクロマトは、シャープなピークが何本か立っていたのですが、私が処理した試料のピークは、やや少なく、強度も低い値で検出されました。
力石さん「サンプルが違うからなのか、手業の問題かのどっちかだね。生体試料は何が入っているかわからないから、金沢では、試薬でやってみるといいよ。とはいえ、アミノ酸は出たね、おめでとう。」
そうです!何はともあれ、初めて誘導体化したデータが得られました。大きな一歩です。
そして、今後の研究の進め方について、力石さんと議論します。
・金沢大学での、アミノ酸分析できるように、ラボを整える。
・回数をこなして、誘導体化のスキルを挙げる。
・分析に利用する軟体動物の「殻」を用意しておく。
・次、来る時までに、聞きたいことをまとめておく。
この4点を、次回の修行のときまでに、やっておくという目標を掲げました。
また、アミノ酸の窒素同位体比が利用できない生物がいる、といったことも教わりました。
高野淑識さんとも、お話しする機会があり、とても有意義な3日間の修行の旅となりました。
JAMSTECで、エネルギーを吸収した私は、3日間学んだことを忘れないうちに、ノートに記し、羽田空港から北の大地へと向かった。