受験生の皆さんへ (地球科学系の大学の選び方)
2017年12月 8日 04:28 カテゴリ:お知らせ
全国の受験生の皆さん,こんにちは.
そろりそろりと受験シーズンが近づいてきてどこの大学を受けようか本格的に迷っていることと思います.
中には自然が好きだ!何か地球や生命,そしてそれらの進化を勉強・研究したいという方がいるでしょう.そんな方はぜひ地球科学系の学部に入学してください.
え?高校で地学を履修していない?
何の問題もありません.高校で地学を開講しているところが少ないことは百も承知です(本当は地球にすむ私たち人類にとって最も基本的な学問なので「地学」を開講していない高校が多いことは非常に残念なんですけどね).全国の地球科学系の学科では,入学してからきちんと地球科学の基礎から勉強できるようにカリキュラムが組まれています.
ではどこの大学の地球科学系に進むか?悩みますよね.
自分の興味のあることをその学科でやっているか調べるのはなかなか大変です.しかも地球科学は分野の幅がとてつもなく広いのです.なにせ地球や宇宙が研究対象ですし,その手法は物理,化学,生物などあらゆる方面におよびます.そんな中でどの大学の地球科学系のコースに選ぶのは大変な苦労だと思います.
自分の興味で入学したものの,大学生活の途中で興味がかわってくることだってあります.最初は化石に興味があるとおもっていたけど勉強していくうちに火山に興味が出てきたなんてこともあるでしょう.
そこでおすすめの選び方なんですが,そのコースに所属する教員の数と分野の網羅度を見てみてください.教員数がある程度いて,地球科学分野を網羅している大学を選んだら良いと思います.もちろん,「絶対この先生のところで研究したい!」という方はその先生の所属大学に入学されるのが良いのでしょう(ただし,その先生が別の大学に移ってしまうこともありますので受験前にその先生にコンタクトをとることをおすすめします).とはいえ,地球科学のどの分野を研究するにせよ地球に関する幅広い知識を大学1-3年生のうちに身につけておくのが重要ですから,できれば地球科学系のあらゆる分野を網羅している大学を選んだ方が良いという基本原則はかわりません.
ここから私の所属組織の宣伝です.
例えば私が所属している金沢大学の地球惑星科学コース(学部は地球社会基盤学類(2018年新設),大学院は自然科学研究科)の場合だと16名の教員がいます.そして各教員が研究室を持っています.大きく分けると5分野(鉱物・結晶学,岩石・火山学(プレート運動や火山噴火とか),地球物理学(地震とかマグマの挙動とか),大気・地表環境学(PM2.5とか地形発達とか),同位体・水質化学(年代測定や水環境とか),地質・古生物学(化石や生命の進化,地球環境の変遷とか)あり,各分野2-4名の教員で構成されています.地球科学系で16名というのは割と多いです.そして地球科学のほぼ全分野を網羅しているのが特徴です.
しかも金沢大学地球惑星科学コースの場合だと,地球社会基盤学類という大きな枠で入学できます(定員100名).この学類には地球惑星科学コース以外に,土木防災コースや環境都市コースがあり,コース選択は大学2年時に行われます.つまり,大学1年生のときは地球のことだけではなくて社会インフラ整備や災害などによるバイオ・ジオハザードについても学べるんです.その上で行きたいコースを選択できます.とても良いシステムだと思いませんか?
「地球の自然の摂理の理解」と「地球で生きるための環境整備」の両方を1年時に学び,より興味のあるコースに2年時で選択できます.高校生の段階で抱いた興味や目標は大学という自由な学びの中で変化していきます.その君たちの中に生じた変化に柔軟に対応できるシステムがあります.そしてその学びの幅は,「地球全部」です.
ぜひ,金沢大学地球社会基盤学類に入学してください.地球社会基盤学類の入試案内や地球惑星科学コースの案内パンフは以下ページにあります.