同位体セミナー(学内)でM2学生が発表しました

2017年12月 8日 03:49 カテゴリ:研究日誌

学内での異分野融合を目指した教員グループ「地球環境-生命-人間の相互作用に関する時系列モニタリング」が数年前に立ち上がり,年に数回セミナーを開催しています.

今回は「同位体分析による生態学的研究」というテーマで九州大学の久米先生をお招きして講演していただくとともに,本学の生物学コースの先生とジェンキンズ研所属の修士2年の兀橋君が発表を行いました.

兀橋君は「アミノ酸の窒素同位体比を用いた古生態系復元を目指して」という講演タイトルで発表しました.

どうやって化石試料(貝殻の化石)からアミノ酸を抽出し,そしてその抽出したアミノ酸がもともとその貝殻が形成されたときにその貝が分泌したものとどうやって判断できるかということについての発表をしていました.化石アミノ酸研究はそれなりに歴史がありますが,そのアミノ酸の同位体比分析による食性解析ははじまったばかりの研究です.

そもそもきちんと食性情報が化石の殻の中のアミノ酸に残されるのか?この問題に正面から取り組んでいる途中経過の発表でした.生物系の皆さんにはちんぷんかんぷんの内容だったかもしれませんが,地道に取り組んでいることと,うまくいけばこの手法によって生態系の進化を短期・長期のさまざまな時間スケールで明らかにできるポテンシャルをもっていることは理解していただけたかなと思います.

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